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「さらば、わが愛 覇王別姫」観劇♪ [お芝居のこと]

チェン・カイコー監督、レスリー・チャン主演の同名映画が蜷川幸雄演出、岸田理生脚本、宮川彬良音楽で音楽劇になりました。
そして、先日、シアターコクーンにてやっと観劇してきました。
この作品は、DVDで何十回と見た作品です。音楽も北京語の台詞も耳に馴染んでいます。どうなることやら。
休憩なしの2時間でした。
 
レスリーが自ら命を絶ってから今日4月1日で5年が経ちます。
香港では彼の追悼コンサート等が行われています。い、行きたい…。

この舞台を観た後、無性に映画版が見たくなりました。
そして、彼が亡くなってから始めてこの作品(というより、彼の作品)のDVDを見てみました。
案の定、蝶衣の生き様がどうしてもレスリーの実生活とダブってしまって、あちらこちらの場面で涙が止まらず。


舞台版は…思いの外、爽やかに仕上がっていたと言いますか、映画ほど重さが感じられませんでした。
舞台の上手、下手に揺れる紗幕がそれを象徴しているかのよう。

劇場に入ると舞台の上では若い役者さんたちがアクロバットの稽古をしています。
時間が来ると駐車場に通じる舞台奥の扉が閉められ、いよいよ舞台が始まります。

少年時代の蝶衣が母親に追いかけられて舞台奥から現れます。
母は手にした大きな包丁で蝶衣の6本ある指の1本を切り落とします。
そうしないと科班では引き取ってもらえないから。
蝶衣の悲痛な叫び声。母親は蝶衣に自分の上着を着せ、強く抱きしめます。
ここまでをスローモーションで見せるのですが、なんといっても子役が秀逸!
蝶衣が母親の上着を燃やす演出等も良かったのですが…蝶衣と小樓が深く結びついていく過程は映画ほど丁寧に描かれている訳ではないので、それが残念。
それでも、この導入部は…結構気に入る。

京劇の部分は日本語。それでは京劇とは言わないわ。衣装やメイクは同じだけれど、まるっきりの別物。
出来る事ならば、京劇の部分は吹き替え&字幕でも良かったと思う。
だって雰囲気がまったく伝わってこないんですもの。

歴史のうねりの中で主人公たちが翻弄されていく過程も、ある程度知識を持っていないと分かりずらいだろうなぁ~と思い、パンフレットを読んでみたら、あっ、歴史の部分は軽くしか書かれていないのね。
それに文化大革命って随分前のことの様に思えるけれど、40年位前の出来事なんですよね。
確か、レスリー自身も家族が文化大革命の被害にあっていたような気がする。
  
蝶衣を演じた東山紀之さん。この役を演じるにあたり、随分努力したのでしょう。手の動かし方など細かい所作一つ一つにも神経が行き届いていました。敢闘賞です!!
小樓役は遠藤憲一さん、歌が致命傷だった。歌詞がまったく聞き取れない。雰囲気や台詞の時はとても良いのに残念だ。自分を助けるために日本軍の前で踊った蝶衣を叩くシーン…音がずれてしまい、出ていた涙が引っ込んでしまいました。
菊仙は木村佳乃さん。洗練されすぎ。もう少し大陸的な雰囲気を感じられたら良かった。
世卿は西岡徳馬さんが演じます。知的な香りがするのが良い。その佇まいが映画版の人より良いと思う。
彼と蝶衣のシーンは泣いた。
関師匠役の沢竜二さん。自らも劇団を率いているだけあって師匠っぷりがもの凄く板についています。
張春祥さんの京劇はさすがに本場ものだわ~。遠藤さんと全然違う。
 
宮川さんの音楽は、オープニングの壮大な雰囲気の曲が良かった。でも、印象に残った曲がほとんど無かったのは残念。
岸田さんの脚本は、もともと音楽劇として作られていたのかしら。
生前に書かれたものだから、作品を練り上げていく過程での変更は出来なかったのかもしれないな。
脚本自体をじっくり読んでみたい!出版してくれないかな~。
 
舞台版の上演を記念して映画も上映されています。
~「さらば、わが愛 覇王別姫」~
渋谷Bunkamura ル・シネマ
3/29(土)~ 4/11(金) 19:30~22:30
4/12 (土)~ 4/18(金) 10:45~13:42

覇王別姫.jpg


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